狭心症

狭心症はどんな病気?

狭心症はどんな病気?狭心症は、主に動脈硬化を原因として、冠動脈が狭くなってしまう病気です。
狭心症は、粥腫(じゅくしゅ)の性質や発症の傾向によって、以下のように分類されます。

狭心症の主な4つのタイプ

労作性狭心症

狭心症の多くが、この労作性狭心症に分類されます。
早足で歩く、階段を上り下りするといった程度の軽い運動(労作)によって起こるタイプです。

不安定狭心症

血管の内側に形成される「粥腫」を覆う膜が薄く、これが破れて血小板が集まることで血栓が生じるタイプです。心筋梗塞とともに急性冠症候群と呼ばれる病態で、緊急の対応が必要です。

安定狭心症

粥腫を覆う膜が厚く、破れる可能性が低いため、心筋梗塞に至るリスクも比較的低くなるタイプです。

安静時狭心症

冠動脈の痙攣によって、一時的に血管が狭窄して起こるタイプです。運動をしていない安静時に発症します。

狭心症の症状

狭心症の症状狭心症の症状には、以下のようなものが挙げられます。もっとも顕著な症状として胸痛が挙げられます。
痛みは胸以外の左肩、首、下顎、みぞおちなどに出現することがあります。

  • 胸痛
  • 胸の圧迫感
  • 動悸、息切れ
  • 呼吸困難
  • めまい
  • 冷や汗

狭心症と心筋梗塞は
似ている?違いは?

狭心症は、冠動脈が狭くなる病気です。ある程度の血流、および酸素・栄養の供給の機能が認められます。
一方で心筋梗塞は、血栓によって冠動脈が完全に塞がってしまう病気です。血流がなくなり、酸素・栄養の供給もストップします。そしてその先の心筋が壊死します。また、一度壊死した心筋が元に戻るということはありません。
また、症状においても違いがあります。狭心症の場合、安静にしていることで胸痛や胸の圧迫感などの症状は15分ほどで治まります。心筋梗塞の場合、強烈な胸痛、圧迫感などの症状が持続し、安静にすることで治まることはありません。
ただし、不安定狭心症は心筋梗塞と同じ発症様式で、血管が完全閉塞しているかしていないかの違いだけで、心筋梗塞に至る可能性が高く、緊急の処置(カテーテル治療)が必要となります。

狭心症を発症する原因

狭心症を発症する原因狭心症の原因は、血管が柔軟性を失い、硬く脆くなる「動脈硬化」にあります。動脈硬化は全身の血管において進行し、冠動脈も例外ではないのです。
そして動脈硬化を進行させてしまう病気として、以下のような生活習慣病が挙げられます。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 高尿酸血症

その他、遺伝、外傷、肥満なども、動脈硬化を進行させるリスク要因となることがあります。

狭心症の検査

心電図検査

心臓から発せられる微弱な電気信号を読み取り、波形としてモニターに表示・記録します。

24時間ホルター心電図検査

小型の装置を身につけ、ご自宅で普段通り24時間をお過ごしいただき、その間の心電図を記録します。短時間の心電図検査では難しい異常の発見に役立ちます。

運動負荷心電図検査

運動によって、一定の負荷を心臓にかけたときの心電図を記録します。

冠動脈造影検査

手首、肘、太ももの付け根などの動脈からカテーテルを挿入し、そこに造影剤を注入した上でX線を使って冠動脈を観察します。この検査が必要と判断した時には然るべき病院を紹介させていただきます。

心臓CT検査

腕の静脈より造影剤を注入し、心臓をCTによって観察します。冠動脈の狭窄の程度、動脈硬化の程度などを調べることができます。この検査が必要と判断した時には然るべき病院を紹介させていただきます。

狭心症の治療方法

薬物療法

薬物療法発作時の症状を抑えるニトログリセリン、症状を予防するβ遮断薬・カルシウム拮抗薬・硝酸薬、動脈硬化を改善するスタチン、血栓を予防するアスピリンなど、さまざまな薬を使い分けます。

カテーテル治療

カテーテルを活用する治療です。
バルーンによって冠動脈を広げたり、冠動脈にステントを留置することで、狭窄の改善を図ります。この治療が必要と判断した時には然るべき病院を紹介させていただきます。

狭心症予防のために
生活習慣病の改善を

狭心症予防のために生活習慣病の改善を先述の通り、狭心症の原因は動脈硬化にあります。そして動脈硬化は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・高尿酸血症といった生活習慣病によって進行します。
すでに生活習慣病の診断を受けている方はその治療をしっかりと行い、そうでない方も若いうちから食事や運動などの生活習慣に気をつけましょう。
また、健康診断などで数値の異常を指摘されたときには、お早めに当クリニックにご相談ください。
動脈硬化、および狭心症や心筋梗塞といった心臓・血管に関わる病気の知識が豊富な医師が、長期的な視野をもって丁寧に診療いたします。

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