心臓が時々痛くて不安…
たとえ時々であっても、「心臓が痛い」「締め付けれる」といった症状があると、ご不安になることと思います。
結論から言うと、命に関わる病気が隠れている可能性もあれば、病的な問題がないケースもあります。
ただ、「どうすればいいのか分からない」という状態でいるのはよくありません。時々だとしても、心臓に痛みを感じることがあれば、一度当クリニックにご相談ください。
循環器内科を専門とする医師が、丁寧に診療いたします。
狭心症と心筋梗塞の特徴
心臓の痛みを伴う病気の代表が、狭心症と心筋梗塞です。心臓の病気としては、比較的聞き慣れた病気かと思います。
それぞれの特徴、症状をご確認いただき、当てはまる場合にはすぐに受診してください。
狭心症
糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病に起因する動脈硬化によって、心臓の冠動脈が狭くなる病気です。
心筋に十分な酸素・栄養が供給されなくなり、以下のような症状が現れます。
症状
以下のような症状が、労作時に現れます。痛みは胸の他、左肩、首、下顎、みぞおちなどに現れることもあります。
その後安静にしていると、多くは15分以内に収まります。
- 胸痛
- 胸の圧迫感
- 動悸、息切れ
- 呼吸困難
- めまい
- 冷や汗
心筋梗塞
動脈硬化が進行し、血栓によって冠動脈が塞がってしまう病気です。
血流が途絶えることで心筋で酸素・栄養が不足し、心筋細胞が壊死します。そして最悪の場合には、死に至ります。
救急対応が必要な病気です。
症状
以下のような症状が、突然現れます。痛みは「これまで経験したことのないほどの痛み」と言われるほど強烈であり、安静にしていても20分以上持続します。また、胸の他、左肩、首、下顎、みぞおちなどに現れることもあります。
- 激しい胸痛
- 呼吸困難
- 意識障害
- 吐き気
- 冷や汗
痛いのは本当に心臓?
たまに感じる痛みの原因とは
心臓付近の胸の表面が痛い
心臓付近の胸の表面が痛い、チクチクとした痛みがあるといった場合には、皮膚、筋肉、骨、神経の痛みであることが多くなります。
特に、生活リズムの乱れ、ストレス、睡眠不足、不安、疲労などがあるときには、神経痛が起こりやすくなります。
肺・胸膜の病気
肺や胸膜の病気を原因となっていることも少なくありません。
たとえば息を吸ったときに胸が痛んだり、発熱を伴うときには、胸膜炎が疑われます。また突然の胸痛に加えて呼吸困難がある場合には気胸も疑われます。
消化器の病気
よく見られるのが、胸やけや呑酸を伴う逆流性食道炎です。胃酸が逆流することで、食道粘膜で炎症を起こす病気です。
その他、急性膵炎、胆のう炎などで、胸に痛みを感じることがあります。
神経・筋肉の病気
肋骨骨折、帯状疱疹に伴う肋間神経痛によって、胸の痛みを感じることがあります。特にご高齢の方、閉経後の女性の場合、骨粗しょう症が進んでいると、咳やくしゃみで肋骨を骨折してしまうことが少なくありません。
血管の病気
突然の激しい胸痛を伴うのが、大動脈解離です。痛みは時間の経過とともに広範囲に広がります。そのほか、意識障害、失神、腹痛などの症状も見られます。
狭心症や心筋梗塞も、血管の病気に分類されます。
心因性によるもの
検査で異常が見つからず、身体には問題がないもの、精神的なストレスがかかったときに胸痛が現れるというケースがあります。
認知行動療法、薬物療法による治療が可能です。また必要に応じて、臨床心理士などによるカウンセリングも行われます。
原因不明の「胸痛症候群」
検査で異常が見つからず、心因性でもなく、はっきりとした原因の分からないものを胸痛症候群と呼びます。比較的、若い女性に多く見られます。
ただもちろん、自己診断できるものではありません。必ず、医師による検査・診断を受けましょう。必要に応じて、整形外科、心療内科などと連携します。
時々感じる心臓の痛みで
循環器を受診するときの
ポイント
医療機関に相談するときには、以下のようなポイントを確認した上で受診すると、貴重な情報として診断に役立てることができます。もちろん「よく分からない」ということもあるかと思いますが、事前に整理しておくとよいでしょう。
- いつから痛むか
- どれくらいの頻度で痛むか
- どこが、どのように痛むか
- 身体を動かしたり、呼吸をしたりすることで痛みが変化するか
- 不安やストレスを抱えていないか
- 痛み以外の症状があるかどうか
- 既往歴、治療歴
心臓の痛みが気になる方は
ご相談ください
心臓が痛いからといって、必ずしも心臓の病気・重い病気であるとは限りません。しかし、胸の痛みも切り傷などと同様に、身体からの何らかのサインとして発せられています。
時々であっても、心臓が痛むという場合には、お早めに当クリニックにご相談ください。循環器内科を専門とする医師が、丁寧に検査を行い、正確な診断・治療へと繋げます。
また、病院などでのより高度な検査や治療が必要になったときには、速やかにご紹介させていただきます。