脈が飛ぶのを感じて
しんどい・気持ち悪い…
脈が速くなったり遅くなったり、あるいは飛んだりすると、不安を感じられることと思います。中には、こういった不整脈に気持ち悪さを感じる方もおられます。
不整脈には、特に病的な問題がないものから、命に関わる病気が原因になっているものまでさまざまです。
特に、不整脈が繰り返されるとき、動悸や息切れ、めまいなどの他の症状を伴うときには、お早めに当クリニックにご相談ください。
循環器内科を専門とする医師が、丁寧に問診・検査を行い、正確に診断いたします。
脈の乱れである
不整脈の3つの種類
脈が速い
心臓からの電気信号が多く発せられている、異常な電気の通り道ができていることなどを原因とします。疑われる疾患としては、心房細動、心室細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍、WPW症候群などが挙げられます。
なお、脈が速いことを「頻脈(ひんみゃく)」と呼びます。
脈が遅い
心臓で電気信号が作られない、途中で遮られることなどを原因とします。疑われる疾患としては、洞不全症候群、房室ブロックなどが挙げられます。
なお、脈が遅いことを「徐脈(じょみゃく)」と呼びます。
脈が飛ぶ
電気信号が発せられるタイミングが本来より早くなることを原因とします。疑われる疾患としては、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症などが挙げられます。
なお脈が飛ぶことは「期外収縮」と呼ばれます。
脈が飛ぶ期外収縮とは
期外収縮はほとんどの場合、
心配はいりません
頻脈、徐脈、期外収縮のうち、患者さまが特に心配されるのが、脈が飛ぶ「期外収縮」です。
しかし実は、30歳以降の方のほとんどに見られる不整脈であり、またほとんどの場合、病的な問題を伴いません。
ただ、やはり診断を受けるまではご不安になられることと思います。少しでも気になる場合には、お気軽に当クリニックにご相談ください。
脈が飛ぶ・胸がつまる?
期外収縮の症状
期外収縮には、以下のような症状を伴うことがあります。
ただ、こういった症状を伴った場合でも、病気であると過度に心配する必要はありません。
- 胸が詰まる感じ
- 喉が詰まる感じ
- 胸の圧迫感
- 動悸、胸痛
期外収縮の主な原因
自律神経の異常
生活リズムの乱れ、睡眠不足、カフェイン・アルコールの摂り過ぎ、疲労、ストレスなどによって自律神経が乱れると、期外収縮が起こることがあります。
ほとんどの期外収縮はこの自律神経の乱れを原因としており、またこの場合は基本的に心配はいりません。
心臓に関する病気
狭心症、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、心筋症などの心臓の病気の症状の1つとして、期外収縮が起こることがあります。
心不全
心不全とは、狭心症や心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、高血圧、不整脈などを原因として、心臓の機能が低下している状態を指します。
労作時の息切れ、身体のむくみ、体重増加などの症状を伴います。
狭心症
生活習慣病に起因する動脈硬化を主な原因として、心臓の冠動脈が狭くなり、十分な酸素・栄養の供給がなされなくなる病気です。
胸痛、胸の圧迫感などの症状が見られます。またこれらの症状は、労作時など、心臓に負担がかかったときに強く現れます。
心筋梗塞
動脈硬化が進行し、冠動脈で血栓が生じる病気です。心筋へと酸素・栄養が供給されないことから、心筋細胞が壊死を起こし、最悪の場合には死に至ります。
発症時には、激しい胸痛を伴います。痛みを左肩、首、下顎、みぞおちなどに感じることもあります。救急対応が必要な病気です。
心臓弁膜症
心臓は、左心室・左心房・右心室・右心房の4つの部屋に分かれています。心臓弁膜症は、これらの部屋と部屋のあいだにある弁が正常に機能しないことで、心臓のポンプ機能に支障をきたす病気です。原因としては、加齢、感染症、外傷、先天的な異常などが挙げられます。
無症状のケースも少なくありませんが、心不全に至ったり、不整脈、動悸、息切れなどの症状が現れるようになると、治療を検討します。
高血圧症
塩分の摂り過ぎや運動不足、喫煙などの生活習慣の乱れを原因として、血圧が慢性的に高くなる病気です。進行すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
糖尿病や脂質異常症といった他の生活習慣病と同様、症状に乏しい病気です。
脈が飛ぶときに行う検査
心電図
心臓から発せられる微弱な電気信号を拾い上げ、モニターに波形として表示します。
不整脈の他、狭心症、心筋梗塞などの発見に役立ちます。
心臓エコー検査
超音波によって、心臓の形や大きさの確認、不整脈の評価を行います。
24時間ホルター心電図
小型の装置を身につけていただき、ご自宅での24時間の心電図を記録します。
医療機関での短時間の心電図検査では難しい不整脈や狭心症を発見することができます。
脈が飛ぶのを治したい!
期外収縮の治療法
生活習慣改善
自律神経を整えるため、生活習慣を改善します。
規則正しい生活リズムを刻むこと、十分な睡眠を確保すること、疲労・ストレスを溜めないこと、カフェイン・アルコールを摂り過ぎないことなどに気をつけます。
運動療法
適度な運動も、自律神経の調子を整えてくれます。一方で、強度が高すぎる運動は期外収縮などの不整脈を悪化させることがあるため、注意が必要です。
じんわり汗を感じるくらいの、気持ちのいい運動を心がけましょう。
薬物治療
先述の通り、ほとんどの期外収縮は、病的な問題を伴いません。そのため、症状が強く現れているときのみ、薬物療法を検討します。
主に、抗不整脈薬を使用します。
上記で効果が見込めない場合
洞結節に異常があるケースに対する「ペースメーカー」、重度の不整脈や心室頻拍・心室細動に対する「植え込み型除細動器(ICD)」、心臓の異常な回路を焼灼する「カテーテルアブレーション」などの治療があります。
これらの治療が必要になった場合には、提携する病院をご紹介します。